ボンジーア!サンパウロ生活を満喫中のぴょんぴょ子です。
少し前の話ですが、ブラジルのサンパウロにて自然排出を試みた上で流産(手動真空吸引法 / MVA)の手術をしました。流産と診断されてから手術後までの体験談を3回に分けてご紹介します。
本記事は、①/3記事目として流産と診断されてから流産手術を決行するに至るまで、を書いています。流産手術を行った際の話は②の記事、手術後の話は③にて追々紹介して参りますので、そちらも併せてご参照ください。
同じような思いをする人がいないことを願いますが、万が一同じ経験をこれからされる方の為に、少しでも参考になればと思い書きました。なかなか周りに相談し辛い内容であり、情報もあまり出回っていないので、ぴょんぴょ子の事例がお役に立てたら幸いです。
※予めお断りを入れますと、ぴょんぴょ子は医療従事者でなければ、医療知識もゼロです。こちらで紹介しているのはただの体験談であること、ぴょんぴょ子のポル語の解釈ミスも含まれている可能性もあること、どうかご了承ください。
流産と診断される
サンパウロのクリニック(ポ語のみ)にて、妊娠6週目にして初めて経膣超音波検査を行いました。
胎嚢は確認されたものの、それ以外が確認されず、翌週に再検査となりました。
妊娠7週目にしても胎嚢以外が確認されず、流産(aborto retido / 恐らく稽留流産の意)と診断されました。
流産確定後の選択肢
クリニックの医者からは、胎嚢等を1ヶ月以内に取り出す必要があると言われ、排出するにあたり2つの選択肢が与えられました。
- 自然に流れ出るのを待つ(自然排出)
- 流産手術で取り出す
その上で「2.の手術なら直ぐに取り出せるが、できれば医療介入せずに1.自然に流れるのを待った方がいい、ぴょんぴょ子の年齢的(アラサー前半)には早急に出す必要もなく自然排出に備えるので十分だ」との医者からのコメントがあり、ぴょんぴょ家は1.の自然排出を選択しました。
自然排出を試みる
1.の自然に流れ出るのを待つ方法を選択し、医者から言われたことは以下でした。
- およそ80%の確率で自然排出される
- 週1で超音波検査をしにクリニックに通うこと
- この方法を試せるのは1ヶ月。過ぎるようなら手術
- 排出時に強い生理痛のような痛みが来るが、市販の生理痛止めを飲んでOK
- 痛みが酷すぎたり起き上がれないようだったら救急車呼ぶのも有り
- 出血があれば直ぐにwhatsappで連絡してね
ブラジルでは各所で「何かあればWhatsappしてね」の一言をよくかけてもらえますが、まさかクリニックでも言われるとは思わず、直ぐにプロを頼れる状況にあることに安心しました。
とはいえ、自然に流れ出るといっても、どのように流れるのかが想像つかず、日本語で書かれた体験談をネットで探しまくりました。
何件か拝見させて頂いたブログ曰く、どうやら排出される際は陣痛のような間隔で痛みが襲い、血の塊と共に大量出血を伴うのだとか。人によっては貧血で倒れてしまう場合もあるそうです。(貴重な情報を共有してくださったブロガー様、感謝です)
そして、日本だとそもそも自然排出を選択肢として与えられるのは少ないそうで、手術を選ばざるを得ないケースが多いそうです。というのも、自然に流れ出るといってもいつどこで排出される(=大量出血)のかわからずに不安な日々を過ごさせたくない、患者の万が一のことを避けたい、という医者側の配慮もあるそうで、それも一理ありますね(上記2段分はあくまで他者様のブログ情報です)。
幸いぴょんぴょ子はコロナ禍で家にいることが多く、外出時に大量出血に至る可能性はとても低くなりましたが、それでも、大量出血を想像すると不安に駆られたのは事実です。また、医者からも大量出血により救急車が必要になることも少なからずある旨を示唆されており、その場合にポル語でうまく対処できるだろうか、という不安も超ありました。(ちなみにクリニックの先生達は、外国からの患者にも慣れているせいか、外国人に優しくわかりやすいポルトガル語を話してくれているので、なんとか今日までやってこれています)
不安を抱えながら、毎週クリニックにて定期診察を行い、子宮内の様子を確認し続けました。
備考:ブラジルでは流産をどう対処するのか
大量出血と共に流れ出る胎嚢達をどのように対処するのか。日本ではどうやら人によっては供養したり、排出された胎嚢を保管してクリニックへ運び、検査したりすることもあるようです(他者ブログ情報)。
ではブラジルではどうなのでしょう?
クリニックの医師に聞いたところ、このような意見がきました。
- 流れ出たら血と共にトイレに流してOK
- ブラジルでは弔ったり供養するという話は聞かない
- どうしてもブラジルで供養したいなら、アジア系コミュニティが一番大きいサンパウロならどこかに手立てがあるかもしれない(が私は知らないから自分で探してね)
ブラジルは日本よりも宗教を信仰している人口が多い為、勝手な思い込みでブラジルでは教会などで供養しているとばかり思っていたので驚きました。
正直な話、胎芽が現れなかったぴょんぴょ家としては、まだ子供を宿した感覚が無く、日本のサイトで供養という言葉を見て初めて“胎嚢も命なのだ”という感覚が少し芽生えた程度でした。それでも供養という形式をとるべきかを検討するにあたり、色々とネットを漁り続けるところ、ひとつの記事に出会いました。
こちらの記事では供養する必要がない理由について書かれており、ぴょんぴょ子としても納得する意見が載っていたので、ブラジルの医師の話と併せて、供養はせずに流れ出たらトイレに流すことに決めました。有り体にいえば、郷に入っては郷に従う決断をしたということです。
とはいえ、結局は自然に流れ出ることなく対処法の心配も杞憂に終わり、手術で摘出された胎嚢はラボへ送られて検査にかけられることになるわけですが(詳しくは別記事で後述します)。
ちなみに日本では流産の報告すらも躊躇してしまうような雰囲気がありますが、クリニックの医師曰く、ブラジルではそこまで気にしないそうです。初期流産のケースは15%(ネットで日本語で見ても大体そんな数字でした)もあり珍しい訳ではないからだとか。流石に「Tudo bem?私流産しちゃってさ〜」程フランクではないそうですが、ブラジル人との会話では敢えて隠さなくても大丈夫だよ、と言われました。ぴょんぴょ子自身、そもそもブラジル人は日本よりも個人の情報がオープンだなぁと感じていたので、流産の件も例に漏れずといったところなのかと勝手に解釈しました。とはいえ、なかなかいう機会も無いので知り合いには話せていません。
手術に踏み切る
さて、話を元に戻します。
定期検診で胎嚢のみがプカプカ浮かんでいるのを確認し続け、早3週間。
クリニックでのぴょんぴょ子の担当医(恐らく主担当と副担当)が2人いるのですが、その日は2人揃って診断室に座っており、残念そうな表情を浮かべていました。
「4日後にもう1度超音波検査をしましょう。それまでに排出されなければ、その週中に手術です。このままだと恐らく胎嚢類一式がまるまる胎内に揃っている状態なので、専門の医療器具の揃う病院での手術が必要になります。」
「それと、いつ手術になってもいいように、麻酔に必要な情報も用意しとく必要がある為今日もしくは明日中に血液検査してきてください。あとこの血液検査は4時間前の断食必須なのでよろしく。」
血液検査(後述)を経て、いつもと変わらない3日間を過ごした4日目。胎嚢が見えなくなっているわけもなく、同じように子宮内で確認されました。
流産手術の確定です。
手術前の血液検査
話は前後しますが、手術が確定する前に血液検査を受けて来ました。
血液検査内容が下記です(日本語で記載した内容はあくまでぴょんぴょ子の解釈です)。
- Hemograma com contagem de plaquetas ou frações(血球関連)
- coagulograma(血栓関連?)
- Hormônio gonodotrofico corionico quantitativo(所謂hCG)
- Estradiol(所謂E2)
- Progesterona(所謂P4)
検査は、血液検査を各種取り行っているFleuryにて受けました。予約不要で、当日申し込みから検査が完了し解放されるまで約1時間で済みました。金額は保険不使用・ディスカウント込みでトータルR$867.85(約17,400円)かかりました。
Fleuryの支院や時間帯、担当者によっては、血液検査後に軽食(lanche)をプレゼントしてもらえるので、興味のある方は受付でお願いしてみるといいかもしれません。
Fleuryの血液検査の結果は、基本的にはFleuryのHPやアプリで閲覧ないしダウンロードできます。
ちなみに今回受けた一部の検査は結果が出るまで5日は要するようで、4日目の検査日に合わせるべく緊急(urgente)対応にて依頼することになりました。が、Fleury側のミスなのか、1つの検査項目だけ結果が表示されず、結局検査結果が出るのを待たずして手術を受けました。担当医師からは「他の検査結果的に大丈夫そうだから、きっと大丈夫〜」なんて呑気なことを言われましたが、結果の出なかった(手術から長い時間を経た今でも未だに結果は出ていません)検査がズバ抜けて高額だったことも相まって、ちょっぴりモヤっとした瞬間でした。
ーーー
そんな血液検査を受けた3日後、手術確定が言い渡されるのでした。
続きは②の記事にて
参考:https://story-baby.com/mizukokuyou-shinai/
コメント