ぼんじーあ!サンパウロ生活を満喫中のぴょんぴょ子です。
9月7日は、ブラジルの独立記念日です!
今回は、ブラジルの独立までの歴史をざっくり踏まえつつ、独立公園として知られるイピランガ公園やイピランガ公園で行われた過去の独立記念イベントの様子についてご紹介します。
1.ブラジル独立までの歴史
ブラジルが独立するまでの歴史をざっくり下記します。
1500年 ポルトガルの探検家カブラルがブラジルの地に到着し、ブラジルはポルトガルの植民地に。
16〜19世紀初頭 海を渡ってきたポルトガル人、後にアフリカ大陸から連れてこられた奴隷、先住民であるインディオがブラジルの地で生活。主にパウ・ブラジル(木材の一種)、砂糖、金、コーヒーの輸出を通じて、ブラジルの経済が発展。
19世紀初頭 中南米で独立の動きが活発になる中、1806年にナポレオンによって出された大陸封鎖令により、ポルトガルの王室がブラジルへ亡命。
1815年 ポルトガル王室が住むブラジルは、植民地の位(ブラジル公国)からポルトガルと対等な“王国”に昇格、ポルトガル・ブラジル連合王国に再編。
1821年 ポルトガル・ブラジル連合王がポルトガルへ帰還すると、ポルトガル側ではブラジルを植民地に戻そうとする動きが。それに反対するブラジル側では独立への動きが一気に高まる。
1822年 ブラジル摂政としてブラジルに残っていた王太子ドン・ペドロがブラジル独立を掲げる。同年9月7日にドン・ペドロがサンパウロのイピランガ川付近で「独立か死か」と叫んだ(俗に言う“イピランガの叫び / Grito da Ipiranga”)のが独立宣言となり、後にこの日がブラジル独立記念日となる。
その後、在ブラジルのポルトガル軍との戦いに勝利。ブラジルは皇帝ドン・ペドロ1世のもと、ブラジル帝国として独立。
参考:https://brasilescola.uol.com.br/historiab/independencia-brasil.htm
これがブラジル独立までのざっくりとした流れです。
ちなみにこのブラジル帝国時代は、2代目皇帝であるドン・ペドロ2世が1889年にクーデターによって廃位させられるまで続き、後にブラジルはブラジル共和国となり現代に至ります。
2.ブラジル人の独立記念日の過ごし方
9月7日の独立記念日は、ブラジルでは祝日となります。そんな独立記念日を、ブラジル人はどのように過ごすのでしょうか。
答えは、一般的にこれといったスペシャルなことはしない、が正解です。
各家庭でこの日だけブラジル国旗を掲げたりすることも一般的にはありません。
ブラジルのクリスマスのように、家族で集まったり、特別な料理を食べたり、独立記念おめでとう、とわざわざ口にしたりするような習慣はありません。
独立記念日当日に小規模なイベントが行われることはあっても、その日の周辺で大々的にお祝いセールが行われることもありません。(軍事パレードは行われますが、観覧者は軍関係の方が多いようです)
レストランやデパート等の商業施設等が場所によっては営業時間が異なる程度で、国全体でのお祭りムードは無く、よくある週末と同様の過ごし方を送る人が大半です。
ブラジルの祝日全般に言えることですが、ナタウ(クリスマス)やパスコア(イースター)等の宗教に関連した祝日には特別な習慣がある一方、独立記念日などの歴史的な祝日には同様な習慣はないようです。
2022年は独立200周年なので、もしかしたらかなりのお祝いモードになるのかも…!?
3.独立記念日を楽しむならイピランガ公園へ!
とはいえ、「特別なことは特にしないのが一般的とはいえ、折角ブラジルにいるなら独立記念日らしいことをしたいなぁ〜」なんて考える人もいるのではないでしょうか。
そんな人はコロナ禍が過ぎたら是非、イピランガ公園(Parque Ipiranga) を訪れてみてください。
おすすめする理由としては、ざっくり2つほど。
- 独立時にペドロ1世が実際に独立を宣言した場所だから!
- 独立記念イベントが開催されるから!(※21年現在コロナ禍につき見合わせ中)
そんなイピランガ公園や、独立記念日に開催されるイベントの様子について詳しくご紹介して参ります!
イピランガ公園ってどんなところ?
イピランガ公園は、ペドロ1世がブラジルが独立宣言を行った場所に作られたといわれている公園で、インデペンデンシア公園(独立公園 / Parque Independência)とも呼ばれています。
サンパウロ市のイピランガ地区にあり、敷地内には、緑の庭園の他に博物館(後述)や独立記念モニュメントなどが併設されています。
独立記念モニュメント(Monumento de Independência)にはこの公園のあたりで「独立か死か / Independência ou Morte」と叫んだとされるペドロ1世を模した像があり、モニュメントの下のCripta Imperialには、今ではペドロ1世とその2人の王妃が眠っているそうです。
世の中が落ち着いた頃にでも、独立記念日に独立を実際に宣言したとされる場所を訪れ、ブラジルの歴史を感じながら思い出に残るお散歩をしてみては如何でしょうか。※尚、デモ等が開催される可能性のある為十分に注意し、またコロナ禍で訪れる際は感染対策もお忘れなく。
博物館も併設されている
イピランガ公園は、おおよそ東京ドーム3.4個分もの広さを持つ巨大な公園です。
その広大な敷地の中には、1888年に建てられたイピランガ博物館(サンパウロ大学パウリスタ博物館とも)や、恐竜の化石等も展示されている動物学博物館も併設されています。
21年9月現在、残念ながらイピランガ博物館は改装中につき閉鎖しており、独立200周年となる2022年の独立記念日にリニューアルオープンを予定しています。
動物学博物館も同じく閉鎖しておりますが、公式HPからバーチャルツアーを楽しむことができるので閉鎖期間中はそちらをお楽しみください。
独立記念イベントMuseu do Ipiranga em Festa
そんなイピランガ公園では、2017年から毎年9月7日の独立記念日にブラジル音楽を中心とした野外フェス、Museu do Ipiranga em Festaが行われていました。
2021年はコロナ禍の為、同イベントは開催されませんが、MPB歌手のジョアン・ボスコ(João Bosco)がイピランガ博物館内でショーを行い、動画で配信されるようです。イピランガ博物館の公式Facebookや公式Instagramで観れるようなので、お家でゆっくり楽しめそうです!
来年以降のイベントがどうなるのかはまだ不明ですが、2019年に実際に訪れた際の様子をご紹介します!
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第3回目のMuseu do Ipiranga em Festa 2019は、10〜19時までと長時間にわたって開催されました。チケットや事前登録等も不要で、どならでも無料で園内への入場が可能。
公園内の各所で寸劇やブラジル各地の音楽の演奏やダンスやパレード、プチサーカス等の演目が同時多発的に展開されている他、食べ物の出店も設置されており、1日過ごしても飽きなそうなイベントでした(暑さにやられて途中帰宅してしまったのが悔やまれます)。
ぴょんぴょ子が個人的に観れて嬉しかったのは、ペルナンブーコ州のマラカトゥ(Maracatu)のパレードと、マラニョン州のタンボール・ジ・クリオウラ(Tambor de Crioula)のショー。
マラカトゥは、女性のみで構成されたBaque Mulherという名のバンドによるパレード(バテリアのみ・ダンスやバンデイラの登場無し)。アゴゴが1人、シェケレが3人、カイシャが2人、チンバウが1人、アウファイアが9人で構成されており、力強い重低音のリズムの中で、女性の高い声での歌が響き渡っていたのが印象的でした。
マラカトゥについてはコチラの記事(メインはフレーヴォについてですが)もご参照ください☟
タンボール・ジ・クリオウラは、マラニョン州を中心に見られるアフロブラジル系の表現方式の一つ。タンボール・ジ・クリオウラに関しては、他のブラジル音楽やダンスと比較しても知識が無さ過ぎるのですが、スカートを左右・上下に広げつつ回転(自転も公転も)する独特なダンスはとても目を奪われました。曲やリズムはビリンバウ不在のカポエイラに似ているように感じました。
なかなかブラジル各地の音楽やダンスを観る機会がなく、また、現地に観に行くにも遠く、祭り期間が各地で被っているとハシゴするのも難しいので、このようにサンパウロで観ることができたのはとてもラッキーでした。
もしアフターコロナでも同様なイベントが開催されるようでしたら、訪れてみる価値は大いにあると思います。
特に午前中は、カーニバル期間程までは人が密集しておらず、スリへの警戒感をMAXにせず程よく酔っ払いながら楽しむことができたので、空いているタイミングを狙うのをお勧めします。
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以上、ブラジル独立や独立記念公園、博物館、イベントの紹介でした〜。
独立200周年を迎える来年にはコロナが終息して、独立記念日を思いっきり楽しむことができますように!
参考:http://museudoipiranga2022.org.br、http://portal.iphan.gov.br/pagina/detalhes/63/、https://brasilescola.uol.com.br/historiab/independencia-brasil.htm、http://museudoipiranga2022.org.br/museu-do-ipiranga-comemora-o-dia-da-independencia-com-pocket-show-de-joao-bosco-inicio-do-restauro-do-jardim-e-contagem-regressiva-para-reabertura/
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