ぼんじーあ!サンパウロ大好き、ぴょんぴょ子です。
先日、サンパウロ市のセントロにある歴史的建造物の中に誕生した、不思議なバーに行って参りました。
その名も、バール・ド・コフリ / Bar do Cofre(直訳:金庫のバー)!。
今回は、金庫バーについてレポも含めてご紹介します!
金庫バーとは
今回ご紹介する金庫バーことバール・ド・コフリは、金庫の中にいるような感覚になれる、世界的にも珍しい不思議で貴重なバーです。
何故世界的に珍バーなのかというと、単なる “金庫の中にいる風” のテーマ・バーなんかではなく、実際に金庫として使用されていた場所を改装したバーだからなのです!
2019年、かつてのサンパウロ州銀行、別名バネスパ / Banespa(現在はGrupo Santander)のビルの地下にある金庫スペースがバーとして改装されました。
それが、今回ご紹介する金庫バーことバール・ド・コフリなのです。
現在は、金庫としては一切機能していませんが、当時の金庫の大半がそのまま残っており、まるで映画やドラマの世界にいるような雰囲気が漂っています。
サンパウロのヴィラ・マダレナにある人気のバーSubAstorが、2号店として営業することになったこの金庫バー。
何故金庫がそのまま現存するのかというと、建物自体が2014年にCondephaat(意訳:サンパウロ州歴史遺跡認定局)に遺産として認定されてしまったから。
一般的に文化財に認定された建物は、取り壊しが不可能となる上、外観維持の為の修繕作業が必要になります。
金庫として利用しなくなったスペースを、当時の様子を可能な限り保存する形で有効活用しようとした結果、当時の家財をも利用してバーへ改装することになったのだそう。
その為、金庫だけでなく大理石の床や壁も建物完成当時のまま残っています。
そんな文化遺産に認定されてしまうような歴史的建物、実はサンパウロを代表する超高層ビルの1つでなのです。
バネスパ・ビル / ファロウ・サンタンデール
2022年現在ファロウ・サンタンデール(Farol Santander)と呼ばれている、金庫バーの地上部分の建物について、ちょっぴり紹介します。
ファロウ・サンタンデールは、正式にはアウチーノ・アランチス・ビル(Edifício Altino Arantes)と呼ばれる、サンパウロ市の中心地セントロ地区にある高層ビル。
35階建で高さは約161mと、ブラジルの中では17番目に高いビルです。
「17位?ふーん、まぁまぁだね」
なんてスルーしたくてもそうはいかない。というのも、上位17位の中で、このビルだけズバ抜けて長い歴史を持っているんです。
1939年に建設が開始され、1947年に完成した約80歳のご長寿高層ビルなのです!
誕生当時は “世界一高い鉄筋コンクリート製の建物” として世界的にも有名になったそう。
高さも古さもされど、アメリカのエンパイア・ステートビルに似せて造られたアール・デコ調の外観も特徴的。
元々はバネスパことサンパウロ州銀行の本拠地として建てられた為、バネスパ・ビルやバネスパォン(Banespão)の相性で呼ばれていました。
現在の “サンタンデールの灯台” という意味を表す“Farol Santander”の名が付いたのは、バネスパが民営化されてサンタンデール(Grupo Santander)に買収された2000年よりもずっと後のこと。
2017年にサンタンデール銀行がビルの大規模改修を行い、2018年にビルの一部が一般開放されるようになりました。その開放されたスペースの名称がファロウ・サンタンデールなのです。
金庫バーの中の様子
さて、お待ちかね。金庫バーの中の様子をお伝えします!!
Farol Santanderに着くと、地下へ続く大理石の階段があります。そこを降りると、監獄のような鉄の柵の扉が。
そう、ここが金庫バーの入り口なのです。
入り口で、予約の有無を確認されます。平日の夕方に向かいましたが、その日は空きがあったので予約無しでも待ち時間無しで入店できました。
扉の中は、全体的に薄暗い空間。その中で目がいくのが、光輝くバーカウンターと、その左右にある2つの巨大な金庫の扉!!!
なんとこの金庫の巨大な扉は、16tもの重さがあるのだとか!
まずはバーカウンター右側にある金庫の扉の中の様子からご紹介。
中に入ると…
赤いネオンに照らされた怪しげな空間が。
金庫というよりも、なんともマフィアがいそうな雰囲気。
年季の入った、シックなソファーやテーブルが並ぶ、大人数用のスペースが広がっています。
ただこの部屋の奥のソファ、近付いてよーく見るとわかるのですが、なんと金庫に囲まれているのです。
こうやって金庫に囲まれると、なんだかNetflixのドラマ『ペーパーハウス』を思い出させますね。
もちろん、今はこの金庫にはお宝は眠っていません。現在はバーの備品を収納するスペースとして使われているそうな。
特別に開けて見せてもらった様子がコチラ☝︎
四角い梱包のせいで紙幣に見えるけど、ただのペーパーナプキンやらマスクやらの在庫でござった。
この黄金色のソファの左側は厨房になっていて、ここだけは照明が日常生活級の明るさ。
厨房も特別に見せてもらいましたが、予想外にも普通のキッチン。でも建物が文化財指定されちゃっているせいで改装は諸々制限があるはずなので、金庫を “普通の” キッチンに変身させるのは超大変だったのではなかろうか。
さて、ソファの間からは、金庫の扉以外にもう一つの道がありました。
その道を進んだ先は…
ズラーッと大量の貸金庫が!!!
2面の壁に並ぶこれらの貸金庫の数は、なんと約2000!
昔は本当に貸金庫として使われており、当然、金や宝石などの様々な財宝達が預けられていたらしい。今はもちろん空で、ところどころ扉が外されており、中が鏡張りにされてディスプレイされていました。
大人数でも楽しめそうなソファの間に対し、こちらの貸金庫の間
は少人数で楽しむスペース。
この貸金庫の間から先の道を進むと、入り口で見たバーカウンター左側にある巨大金庫の扉に繋がっています。
ちなみにトイレも洒落ているので、酔っ払いきる前に見てみてほしいです!
ドリンク・フード
目だけで既にお腹いっぱいになっちゃいましたが、せっかくなのでドリンクとスイーツを頂いてきました。
サンパウロの人気のバーSubAtorが運営しているからか、可愛らしいメニュー表の中は、大半をカクテルが占めています。
カクテルの良し悪しをあまり心得ていないせいで、感想は陳腐なもので申し訳ないのですが、とりあえず美味です(陳腐)。
セントロを歩く時は超気を引き締めているので、その緊張を緩めたからかもしれませんが、ビールのごとくグビグビいってしまいました。
「場所が場所だから、きっとバカお高いんでしょ?」と手に汗握りながら法外価格を覚悟していましたが、ドリンク1杯R$40未満。サンパウロのちょっとお洒落なバーと同程度で、良心的な価格帯。ありがたや。
軽食メニューも豊富でしたが、あまりお腹は空いていなかったので別腹のスイーツを注文。
注文したのは、バーテンダーがオススメしてくれたCookie na Panela (訳:鍋焼きクッキー)と題されたスイーツ。プレートに敷き詰められた熱々のクッキーあんの上に、バニラアイスが乗っかっており、その上にお好みでチョコレートをぶっかけて食べるもの。
見た目通りの甘さだったので、ぴょんぴょ子のような甘い物好きはきっと気にいるはず!
金庫バーへの行き方
さて、そんなリアル金庫のバーへの行き方はというと、Farol Santanderから地下に降りるだけ。
地下へ降りるだけとはいえ、セントロに不慣れな場合はFarol Santanderまで行くのが大変。
治安が宜しくないセントロでは、あまりスマホを手に持たないのが身の為です。地図を完璧に頭の中に入れておくか、若しくはセントロに詳しい人に連れて行ってもらうのがいいでしょう。
ぴょんぴょ子もブラジル人のお友達が連れて行ってくれたので、無事に行って来れました。オブリです。
予約は、公式サイトからできます。もちろん予約無しでも空きがあれば入れますよ。
もし空きがなく時間を潰す必要が出てきたら、一般開放しているFarol Santander展示スペースへ行くのもヨシ。
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リアル金庫の中へ入れる貴重な体験ができるので、セントロに慣れてきたら一度は訪れてみてはいかがでしょうか!
以上、金庫バーの紹介でした〜
☟セントロの他のおすすめスポット
参考:https://casavogue.globo.com/LazerCultura/noticia/2019/03/bar-do-cofre-subastor-antigo-cofre-de-sao-paulo-e-transformado-em-bar.html
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